成蹊ワンゲル部の掃き溜め

成蹊大学ワンダーフォーゲル部のブログです。石楠花会ブログとは少し違った、気軽な話題について書いていきたいと思います。

山野を歩いて心身鍛える

山々は既に秋景色。アルプスではすっかり雪化粧。登攀レベルも夏山に比べ、ぐんと上がる。

なんだかワクワク気分。

まずは、部員の皆さん長期合宿お疲れさまです。9泊は私もしたことがなく、未知です。皆の体力や判断力において、心から尊敬しています。私は1か月山小屋バイトで参加できなかったものの、気持ちは常にクライムオンでした。

そんなこんなで、今回は登山とは何ぞやという素朴な疑問に答えていこうと思う。

1, 生きるために山へ登る

私が思うに、山に訪れる目的は二つある。

まず一つ目は、

新しい感覚に出会うことである。

重い荷物を持ち、苦しい思いをしながら1歩ずつ自らの足で不安定な道を登っていく。時には危険を冒しながら慎重に通り抜けていく。しかし、頑張った分、相応の対価が必ず帰ってくる訳でもない所がいやらしい。

f:id:seikei_wangel:20181031095653j:plain:h100w250

はっきり言って何が楽しいのか、自分でも分からない時もある。しかし、1つ言えることは貪欲に挑もうとする姿勢が身につくのではないか。まるで人生のように先が見えず、上手くいかないことが多い。それでも希望をもって進む。そんな部活が他にあるだろうか....?ないです。山の中では全て自分の責任。

自分で計画し、実行し、反省する

その分一つ一つの活動への思い入れは強い。



二つ目は、

登山とは生への活力剤だ

人は死に直面するほど本気で生きたいと感じる。本気の死を直面すると走馬灯が流れるというのも事実だ(経験済)。

f:id:seikei_wangel:20181031141446j:plain:w500,h350
赤岳北稜登頂時 ゾクゾクしたのを覚えている。
そう感じながら必死に食らいついて頂上を踏んだ時は、なんとも言えない幸福感と満足感を覚え、自分は生きているのだと実感する。
そして、下界へ戻りまた淡白で平凡な日常へと引き戻される。月日が経つと再び濃厚な生きがいを求めて山へと繰り出す。

ただし、活力剤が多すぎると植物が枯れるように人も枯れるので要注意。

だが、何もそこまで命をかけてまで生きがいを求めようとしなくてもいい。
大事なのは自分の趣味に深く没頭する時間を作ること。山に限らず、読書、TV鑑賞、食事、運動、コレクション、身近な事何でもいい。勉強ができなくとも、一つのことに熱心に取り組めば、自信へとつながるだろう。

と誰かが述べていた。私ではない。ただ、確かにその通りだ。波のない人生よりも、ある人生のほうが楽しいと思う人が多いのではないか。精神、お肌ともに生き生きとするに違いない。

私は危険を冒すことでしか得られない生きがいだが、危険を冒さなくとも素晴らしい生きがいを手に入れることができることだろう。

2, 皆を楽しませる変わり者

山の中では衣食住を全てを共にする。そのため、生活習慣に違いが生まれ、反発が起こりやすい。また、疲れているとイライラしやすく、ギスギスした関係になりがちだ。

そこで、私が1番必要だと感じるのは、ユーモアのある仲間が1人いることだ。

f:id:seikei_wangel:20181031220329j:plain:h600
テントの中でエビピラフをまき散らした友人。朝には銀マットの下でお米が炊けていて皆が感動。

中高のワンゲル時代、体力も技術もないが、面白い同期がいた。ある時、大雨の中、皆が疲れてギスギスしながら夕食を作ってる時、彼は寝袋にこもり体調悪そうにうずくまっていた。
何もせずに寝ている彼に少しイライラしながら、夕食いるのかと尋ねた所、プッとオナラで返答された。ここまでくれば皆呆れ笑いし、場が和んだ記憶がある。

f:id:seikei_wangel:20181031221903j:plain:h400
雨の中作っている最中、奥で寝ているのがその彼だ。おならでしか返答が来ない



また、ある時は朝食を準備しようと彼のカバンから出てきたものは、チョコスティックパン6本入りではなく、極太一本入りだった。パッキングの邪魔になるから爪楊枝で穴を開け、空気を抜いて来たのだそう...。始めは皆、彼を(寝)袋叩きにしたが、彼が皆をなだめながら極太パンをナイフで削いでいき、1人ずつ渡していった時は、何となく許せてしまう。
f:id:seikei_wangel:20181031091948j:plain:h400
極太スティックパンを分けたが、数本明らかに分けるところがおかしい。なんとも憎めない奴だ
まだまだ彼に関して、空が危ないって言ってるから帰った話や、避難小屋でキムチ鍋をこぼした話など、まだまだ面白話を語りたいが、それは私と一緒に山に登った時に話そう。

大事なことはそういう人こそ極限のサバイバルにおいては別の意味で頼もしい存在となり得ることがあるのだ。まさに、個性こそが正義(山の中だけに限る)。まぁ、それをアホだと思い、許せる心を持っているかにもよるが...。彼とは今でも共に山に行く仲だ。

3, 大切な事は山にある

気持ちが沈んだ時、気晴らしの方法は人それぞれだ。その時、一つの解決策として私の場合は山に行き、今までの人生を振り返ることが多い。大袈裟かと思うかもしれないが、歩いてる時は喋る意外、何もする事がないのだ。

そんな時に喧騒離れ、自然のエネルギーに囲まれながらゆっくりと人生を見つめ直してみる。

勉学、将来、恋愛、人間関係なんでもいい。そしたら広大な山の中で小さな事で落ち込んでいるちっぽけな自分が見えてくる。それでいいのだ。自然相手にかないっこない。
1度自分と向き合い、今何をするべきかを考えてみよう。一番大切なのは何度も何度も同じことを考える。何が原因なのかを考える。そうすればある時、ふっと吹っ切れることがあり、考えが浮かんでくる。落ち込んでいるだけでは先に進めない。

ちなみに私は、夜に星空見ながらコーヒー(寒い日はココアにウィスキー&ジンジャー)を飲み、考え事をするのが大好きだ。下山後の温泉に匹敵するほどの至福のひとときである。
.
.
辛い時は山に来なさい。






追伸:11月24日(土)、25日(日)は欅祭。3号館-605でワンゲル部展示中。何かお困りでしたらこちらまで。私達が全力をもってお答えしたいと思います。

f:id:seikei_wangel:20181031225151j:plain:h400,w500
山の帰り道 部長とジャンプ

名前:久保田 
趣味:音楽を聴く、youtube鑑賞、ネットサーフィン、ギター、旅行
好きな食べ物:カロリーのたっかーい食べ物なら何でも
経歴:山小屋バイト、歩荷経験あり。冬山は少しずつ開拓中
モットー:何事にも挑戦だァ
一言:楽しく生きて、皆に幸せを与えたい(すごい良い奴 )